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【第1部】 第47話 やっと……②

last update Date de publication: 2025-08-17 19:01:07

「嬉しいっ」

 今度は私から龍に抱きついた。

 龍の息を呑む気配を感じる。

 しかし、すぐにたどたどしい動きと手つきで、龍も私を抱き返してくれる。

「龍はさ、私のことずっと前から好きだったの?」

「はい、出会った時から……ずっと」

 照れくさそうに答える龍が、可愛くて愛おしい。

 そんなにずっと想っていてくれてたんだ……。

 嬉しい反面、私はふと考えた。

 龍は、私と一緒にいて辛くなかったのだろうか。最近はヘンリーのこともあったし。

 私は一度少し離れ、もう一度真正面から龍のことを見つめる。

「私も、龍のことずっと前から好きだったんだと思う。

 でも鈍いから……今まで気づけなかった。ごめんね、辛い思いさせて」

 申し訳なさそうに下を向きつつ、上目遣いで見つめる。

 すると、龍はゆっくりと首を振って、優しく笑った。

「いえ、こうしてお嬢と一緒にいられるだけで幸せですから。

 辛いと思ったことは一度もありませんよ。

 もちろん、両想いになれたことは本当に嬉しいです。一生、片想いだと思っていましたから」

 龍のはにかむ笑顔を前に、私の心は愛しさで満たされていく。

 ああ、なんて愛しいんだろう。

 この人のことが、愛しくて堪らない。

 もしかして、龍もこんな想いで傍にいてくれたの?

「……信じてくれて、ありがとう。

 ずっと私、ヘンリーのことばかりだったじゃない? 私の気持ち誤解して、信じてくれないかもって心配した」

 そう、最近の私は過去生からの気持ちに振り回され、ヘンリーに夢中だった。

 きっと龍は、私がヘンリーを好きなのだと思っていたに違いない。

 だから、告白をすんなり信じてくれたことに驚いた。

「私はお嬢の言うことなら何でも信じますよ、無条件で。

 今までもこれからも、変わりません」

 慈しむような瞳を向け、龍は極上の微笑みを見せてくれる。

 無条件の愛……そんな言葉が似合う。

 確かに、彼はずっと“それ”を私に与え続けてくれていた。

 ほんっとに、龍は。

「馬鹿なんだから……」

 私は龍の目の前で、そっと瞳を閉じる。

 この仕草の意味、わかるよね?

 しばらく待つが音沙汰なし。

 躊躇っているのか、なかなか近づいてくる気配がない。

「もう!」

 私は龍の唇に自分の唇を押し当てた。

「っ! お、お嬢!」

 驚いた龍がベッドから転げ落ちそうになる。

「こういうときは男からしてよねっ」

 突然の行動に龍は呆然とし、また目が点になっている。

 私は怒ったようにそっぽを向いた。

 すると、龍の手がそっと伸びてきて、私の頬を両側から優しく包み込む。

 そして顔の向きを変えさせられた。

 すぐ目の前に龍の顔が。

 その顔は真っ赤に染まり、恥ずかしそうにはにかんでいる。

 今度は龍の方から顔を近づけてきた。

 私はもう一度そっと目を閉じる。

 次の瞬間、柔らかな感触が唇に触れた。

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Commentaires (1)
goodnovel comment avatar
憮然野郎
流華、龍に積極的ですね...... それに……流華に押されぎみな龍、可愛いですね......
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